信長も一目置いた今井町(産経新聞)

【麗し大和】

 織田信長も一目置いたというからおもしろい。江戸時代の重厚な町並みを残す今井町(奈良県橿原市、国の重要伝統的建造物群保存地区)は東西約600メートル、南北約310メートル。その中に重要文化財の旧家・寺が9軒もあり、集積度だけでも一見の価値がある。だが、歴史的魅力はそれ以上。話は戦国時代にさかのぼる。

 浄土真宗、称念寺の寺内町として栄えた今井町。石山本願寺が信長と対峙(じ)した際には、強固な城塞都市を築いて明智光秀率いる軍勢に対抗したそうだ。その名残は、防衛で見通しを悪くするためにわざとずらした四つ辻など、今も随所に見ることができる。

 結局、信長に降伏したものの、武装解除を条件に特権を認められ、後に大阪・堺に並ぶ自治都市として発展した。信長から今井氏あての赦免状が残っていて、想像するに、楽市楽座などで自由経済を進めた信長のこと、「戦火で滅ぼしてしまうには惜しい町」と考えたのではなかろうか。

 夕暮れどき、白い壁に虫籠(むしこ)窓が並び、格子からやわらかな明かりが漏れる町を、家路に着く住民が足早に通り過ぎた。御堂筋を西へ向かうと、町の中核となってきた称念寺の荘厳な門構え。瓦の重みに耐えて建つ本堂は、江戸初期の創建以来初めて解体修理されるそうだ。「お寺は後でいい」と町並み保存を優先させてきたという先代住職、故今井博道さんの娘、慶子さんの言葉が胸に響いた。

 「今井町の町家や寺は生きている。人とともに生き続ける文化財なんです」(文 山上直子)

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